カテゴリー別アーカイブ: 道具の紹介

時代色と染み抜き

現在進行中の掛け軸の作業工程をご紹介いたします。

今回は、過酸化水素という薬品を使用しました。

お客様との打ち合わせで、一番下方にある直径2㌢くらいの染みをどうするか?

ここ以外には大きく気に掛かるような染みは特になく、この強い染みが落ちなければ

最悪、この部分を切り落とすという判断もありうる。という事になりました。

お客様にとってかなりこの染みが気になってしまうのだと感じました。

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前         後

画像の撮り方が未熟でわかりにくいですが、強い染みがほとんどわからなくなりました。

ここで重要なことは、染みが抜ける最小限の薬品を使うということに注意して

行いました。なぜなら、染みは抜きたいが、長年の間に自然についた「時代色」

は残すべきだと考えたからです。薬品が強すぎれば、作品(紙本)にもダメージがあります。

ひとつ間違えれば、作品の寿命を縮めかねなからです。

もう1回洗いをしたいところですが、一歩手前で終了と致します。

 

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止め切り(とめきり)定規と止め打ち金具(とめうちかなぐ)

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上が、止め切り(とめきり)定規、下が止め打ち(とめうち)という道具です。「止め」とは、額や屏 風の四隅の仕上げ方法一つで、縁を45度に裁断し、縦と横で合わせ四隅を90度で仕上げます。現在では、丸ノコなどを利用し、早くて正確に45℃に裁断で きますが、いずれにせよ最終的な微調整は【人の手加減】が決めます。

金槌

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一番手前の大きい金槌は私が20代のときに購入。
【額装、屏風などの作業に使用】

真ん中の金槌は父の代に購入。
【襖の引き手、屏風の金具を取り付けるときに使用】

奥の白い金槌は角製(動物の角)で祖父の代に購入したらしい
【掛け軸の切継(きりつぎ)という作業の時に使用】

30代の時、母に叩いている時の音が父に似てきたと言われた。
なんだか嬉しかった事を覚えている。

撫刷毛

602035_585020448174812_1848528680_n撫刷毛です。
素材は、津久毛、シュロの2種類があるようです。
津久毛はコシが強く、シュロは腰の柔らかい刷毛ができます。
津久毛とシュロを混ぜたり、シュロの毛を1.5倍にすることもあります。

目的や好みでに合わせて、3種類の撫刷毛を使い分けます。

 

 

 

 

 

 

 

打刷毛

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これは打刷毛と言います。接着力の弱い糊を和紙の繊維と繊維を絡め、接着を補うために上から叩くように使います。表具用刷毛の中では一番高価ですが長く使えます。
ちなみにこの打刷毛は祖父の代から使っていて、ちょうど私で3代もの間お世話になっています。愛着以上のものを感じます。