【和紙の出来るまで】其の4

「煮熟」
第4回

煮熟(しゃじゅく)
白皮だけにしただけの原料は、純粋なセルソース(繊維素)のほか、ヘミセルロース・リグニン・ペクチン・タンニン・澱粉質・たんぱく質・脂肪・糖類・鉱物質その他の不純物を含んでいる。
そこでアルカリ性の溶液を加えて高温で加熱し、原料の中の不純物を出来るだけ水に溶ける物質に変え、水に流し去って比較的純粋な繊維素だけを抽出するために、煮熟する。
アルカリ性溶液としては古くから草木灰の灰汁が用いられ、「紙漉重宝記」には、そば殻の灰、蝋灰(ろうはい)(木蝋、すなわちハゼの木の灰)のほか石灰を 記している。明治期になってソーダ灰(炭酸ソーダ)や苛性ソーダを用い始めたが、良質の紙つくりには草木灰がよく、奉書紙には蓬のもぐさ灰・桐油(とう ゆ)鬼殻灰・楢(なら)合歓(ねむ)の木の雑木灰・稲わら灰のほか加賀藩の幕末進納用には青ずいき(里芋の茎)を干して焼いた灰を持ちたとされる。
煮熟を終わると釜から取り出し籠に入れて水中に放置するか、清水を満たしたコンクリート製タンクに均等にひろげて浸し、絶えず水を流動させながらアルカリ成分を抜く。
河川の浅瀬で一定の面積を川石で区切り、2昼夜くらい放置するのが本来の方法で、これを川晒しとも言うが、天然の漂白もかねている。

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