【和紙の出来るまで】其の5

「漂白」
第5回

漂白
白皮を漂白するには天然漂白と薬品漂白の二つの方法がある。
伝統技法では主として天然漂白の晒しであり、河川の浅瀬に石垣で小さな堰を作って塵埃(じんあい)・汚物などの流入を防ぎ、そこで清流に浸す。ここを晒し 場あるいは出場といい、普通は束ねたまま並べるが、奈良県吉野の紙郷で花びらのように開かせている。山間の高地で清流の遠いところでは、畑に浅い池を設 け、竹すだれをしいて小流を導くが、高知県吾川村などでは冬の休耕田を活用している。このようにすると、水中の酸素が日光の紫外線の作用によって生成され る過酸化水素及びオゾンの働きで自然に漂白される。
叉北陸などの降雪地では、晴天の日に雪上に広げ薄く雪をかぶせ、時々ひっくり返しながら放置しておく。雪晒しといい、この方法によるものは光沢が良い。
ともかく天然漂白は繊維の光沢・強靭さを保たせる理想的な方法である。しかし時間がかかるので、いまでは消石灰に塩素ガスを作用させて製造した晒粉(カルキ、次亜塩素酸カルシウム)を用いることが多い。
この薬品漂白は明治末期から始まっており、漂白粉を多く使って時間を長くすれば、純白の紙料を得ることが出来るが、繊維が損傷し、光沢が低下する。強い紙を作るには、やはり天然漂白が優れている。

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