東京博物館の取り組み 対症修理 その2

将来的な損傷を予測し、先回りをしてその損傷を予防するという対症修理の例です。

この処置の中には、文化財に対する直接的な処置だけでなく、保存箱を作製するという作業も含まれています。下図はまさに環境保存の中に分類できるとおもわれる、保存箱や保存用補助具制作の一例です。保存箱は埃や汚れなどから、文化財を保護します。中性紙の筒状の芯は、紙の変形を防ぐためのもので、作品を緩やかに巻き込むために使用します。いずれも、文化財に直接接着剤を用いて穂居するという処置出ないことが利点で、確実に文化財の寿命を延ばし、本格的な修理を先送りにする役割があります。また、腰ほどお話した軸棒の中に埋められた鉛の問題では、あのような些細に思える処置こそが、将来的に予想される危険な損傷を予防することにつながるのです。

img00012

img100

参考文献 文化財の保存と修復より

 

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA