人材養成にはたす博物館の役割 其の二

〜九州国立博物館館長基調講演より〜

ここで視点を変えて、博物館の役割を改めて検証してみます。現在の「文化財保護法」が制定された次の年の昭和26年(1951)に「博物館法」が制定されました。この博物館法で歌われている博物館の役割は、次のようになります。

第1は資料つまり文化財を公開・保護することです。この公開するということは活用することと同義語として考えて頂いて良いのですが、この公開が博物館の主な任務として強調されて来ました。第2は、調査・研究、第3は資料(文化財)の収集・保存です。収集方法としては購入、寄贈、寄托など様々なかたちがあります。

そして、これまでは、残念ながら保存の部分はあまり注目されて来ませんでした。保存が注目されてようになるのはやっと10年ほど前からです。

博物館の持っている役割、すなわち資料の公開・保存・調査・研究・収集のかなで、「文化財の守り手を育てる」というテーマには、この保存の部分が関連します。

ここで、公開、活用の状況を私どもの博物館を例にかんたんに説明します。いわゆる展示公開はいろいろなテーマで行なっていますし、常設展なども海外のモノを始め様々な文化財を展示しています。また、何に何回かの特別展も企画しています。東京博物館では、海外展の帰国展「国宝の土偶展」を開催していますし、中旬からは「はせがわ東伯展」が開催されます。特別展は年間をとおしてやるわけにはいきませんので、年に3回なり4回開催していますが、大変労力のいる仕事です。

参考文献 文化財の保存と修復より

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