東京国立博物館におけるインターン制度 其の七

博物館の日常業務は繁忙であり、その中で研修生を長期に渡り受け売れるのは困難無場合が多い。就労体験として外側からの観察を可能にするためには、用意周到な準備が必要となる。更に、専門家育成を目的としたインターンシップの場合には一層の準備を必要とする。一方、大学でも学生の興味や能力に適した受け入れ施設を探しだすのは容易なことではない。このような状況の中で、NPOの存在は博物館と大学をこおうか的に結びつける機能を持つ存在として、重要な組織と位置づける事ができる。NPOはインターンシップの受け入れ可能な博物館をリストアップすると同時に、インターンシップを希望売るが癖も登録し、両者の都合と希望を結びつける。大切なことは、研修を1箇所の期間のみで貫徹することにこだわることなく、複数の期間を利用できるように工夫することである。そのように考えることに寄って、各機関が持つ特徴と都合に合わせて、研修生のとって内容が豊かで、かつ受け入れ側にとっては負担の少ないカリキュラムを作成することが可能になる。研修生はカリキュラムに従って、それぞれの時期に応じた期間に出向き、一定期間の研修を受ける。このような仕組みによれば、複数の現場を体験する事によって現場感覚をより高める事ができる研修となるだろう。更に、こうした過程を踏みことは、自己の関心を明確にし、勝具体的な疑問点を意識することに繋がる。このレベルにまで達した関心や疑問に応えるためには、前述したような各分野の専門家を講師ついて配した専門家養成実践セミナーが必要二なってくるだろう。

これまでに述べてきた各要素は、げんざいの日本にはすでに存在している。それらは社会的なインフラストラクチャーである。ここを繋ぎあわせたす号的な観点から社会に貢献することが出来ないのである。文化財の保存を担う新しい人材の育成に足して、我が国がこれまでに形成してきた文化財保護のための社会インフラの有効な活用が大きな可能性を広げてくれるはずである。

そのためには、大学・博物館・美術館、そしてNPO の連携がまず何より大切であり、中でもNPOの接着剤としての役割に期待するところが大きい。文化財の保存のための守りては、社会全体で協力して育成することがこれからの重要な目標である。

20130821

参考文献  文化財の保存と修復より

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