伝統技術の継承と人材養成 其の三

〜技術者の意識の変化〜

この半世紀を振り返ると、伝統技術の継承の在り方は大きな変化を遂げたことがわかります。半世紀前、技術の伝承は完全な徒弟制度の中にありました。店主、番頭、職人さんたちという、縦一列の組織のなかで、職人は以下にして技術を自分の身に付けるのかという事を考え、切磋琢磨して今した。当時の文化財修理には、京都で言う「表具師」の中でも、新作の仕立てではなく古美術品の修理を主に行っている工房が携わっていました。私達が所属している国宝修理装潢師連盟は、昨年50周年を迎え田団体ですが、日本で初めて、国の指定文化財の修理に関わっている7工房が結集して設立されたものです。連盟としてこの50年は、修理技術者としての共通認識を持ち、組織として文化財を守り、修理技術者を育成していくという方向へ大きく転換していった歴史があったといるでしょう。

重要なてんきとなったのは、連盟が設立されて20年後、本年30周年(平成22年)を迎える文化財保存修理所が京都国立博物内に解説されたことです。国によって設立された専門の建物内で専門的な設備を使用して修理に取り組む事ができる事、技術者が安心して仕事をする事ができる環境を与えられたことは、技術者自身の認識を変え、又世間の認識も変えました。技術者は、それまでの「表装の人」という意識から、「専門性の高い修理技術者」おいう意識に変わり、世間にもその専門性が認知され始めたkとで、大学で専門的な知識を学んでこの世界に入ってくる志望者が増え始めました。連盟設立50年を掛けて醸成サレタ、高度な専門性を持つ技術者集団としての自覚により、現在では、組織として一つの理念を持って文化財修理に携わることができるようになりました。この認識は、50年の間に連盟が取り組んできた数々の事業を経て獲得されたものであるといえます。

 

セッションⅢー2より

国宝修理装潢試練名理事長 岡 岩太郎 氏講演より抜粋(平成22年現在)

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です