❏ 南無妙法蓮華経 修理記録 ❏

 

 

対症修理の一例

 

調査と記録対症修理の一例

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

柱部分が擦り切れ裂けてしまっているところも数か所確認できる

 

 

 

 

 

 

裏側より目立たないように薄い裂地で埋めていく。本来であれば、パズルのように段差が出ないように埋めていくのだが、時間と予算に縛りがあるので収まるような方法を模索しながら修理していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

           修理前        修理後

 

          修理後              修理前
完成画像
今回の依頼者の要望は、長年目に焼き付いている
裂地をこのまま残し、次の世代まで残す事が
出来ないだろうか?ということだった。
主な作業は、亀裂のある数カ所を類似した裂地で
繋ぎ、総裏と言われる我々の目に見える
裏側の和紙だけを交換した。
また、軸棒も小さく巻くと劣化が早いので、
軸棒の太い物に交換した。
今後、このような修理が増えていくんでしょうね。。。
このような修復を対症修理と呼びます。
 

なぜ新潟県の神社数が日本一なのか?

弥彦神社平成22年4月17日 読売新聞から

 新潟県 神社の数日本一 信仰心あつい県民性

「神社の数が最も多い県はどこ?」と聞かれ、「新潟」だと即座に回答できる人は少ないのではないでしょうか。
宗教法人・神社本庁が包括する法人としての神社の数は、約7万9000。そのうち、新潟には4755もの神社がある。2位は兵庫県の3836、3位は福岡県の3322。(4位愛知、5位岐阜)
ちなみに、最も少ないのは沖縄の11、和歌山の418、大阪の571だ。
新潟に神社が多い理由を新潟県神社庁に聞いた。

1 明治後期に政府が出した神社の統廃合を要請する合祀政策に、県が消極的だったこと

2 明治時代に新潟の人口が日本で最も多く、集落ごとに神社ができたのではないか。

3 1888年(明治21年)の人口調査で、新潟の人口は166万人で、2位の兵庫県の151万 人、3位の愛知県144万人を抑えてトップ。東京はこの年、135万人で第4位。続く1893年(明治26年)の調査でも、新潟が171万人で1位だった。

4京都などと比較して、小さな氏子が数軒の神社でも地元に密着し、昔ながらの祭りがある

鑑定と査定

メディアの影響なのか、鑑定と査定を一緒に捉えられている方が多いようなので
この業界の関係者の端くれとして、一言。

鑑定とは  作品の真贋を明示することです。

査定とは  作品の売買価格を決めることです。

便利上、鑑定という言葉をあえて使っている業社も少なくありません。

売買価格には、評価額と言われるもの(美術年鑑など)と実際の売買(オークションなど)相手とのやり取りで決まる価格があります。

評価額で100万円の物が、実際の売買価格では、10倍になったり、半分になったりします。

バブル期では1000万円だったものが、現在では10分の一以下にまで価格が下がったものも少なくありません。

また逆に、東日本大震災で流されてしまった石碑などの拓本は、震災後、作品の希少価値からか様々な分野から高い評価を得ています。
大掃除、遺品整理などで出てきた家宝の価値をどこに調べてもらえば良いのかわからないという声をよく聞くようになりました。

鑑定には、作品一点に対して、無料で鑑定してくれるところから、10万円前後まで様々です。

無料で見てくれるところは、鑑定(買取価格)のことを指している場合がほとんどです。
有料のところの内訳は、鑑定料 ・登録管理手数料 ・鑑定証書発行料 、交通費などが含まれています。
交通費と言うのは、人による作品の持ち込みのみ受け付けているからです。(郵送は受け付けていません)

ちなみに、私のところでは、美術品全般に対し、深い造詣があるとは言えません。しかし、掛け軸に関しては、
どんな材料で、どんな作りをしているのか?(いい仕事をしているのか?)作り手として十分理解しています。
そのような理由から、自分自身のスキルアップも含め無料で行っております。

このブログ上ではいろんな支障もありますので、詳しくおしりになりたい方は、メッセージ、メールでお願いします。

2015-12-25 良寛

「和紙」ユネスコ無形文化遺産登録へ

国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録勧告されることが28日明らかになった「和紙 日本の手漉(てすき)和紙技術」。

過去の事前審査で登録勧告された提案が覆されたケースはなく、ユネスコの政府間委員会が11月下旬にも登録を正式決定する見込みだ。

勧告された「手漉和紙技術」は、「細川紙(ほそかわし)」(埼玉県小川町・東秩父村)、「本美濃紙(ほんみのし)」(岐阜県美濃市)、「石州半紙(せきしゅうばんし)」(島根県浜田市)の3紙の技術で構成。原料に「楮(こうぞ)」の樹皮のみを用いる伝統的な製法により、丈夫で風化しにくいなどの特色がある。

このうち石州半紙は、平成21年に無形文化遺産に登録されているが、政府は25年3月、本美濃紙と細川紙を加えた「和紙」の技術として登録し直すよう、拡張提案していた。

すでに登録されている無形文化遺産に、類似の文化を加えるなどした拡張提案を日本が行ったのは今回が初めて。

日本の無形文化遺産は、昨年登録の「和食 日本人の伝統的な食文化」のほか、「能楽」「歌舞伎」「京都祇園祭の山鉾行事」など22件ある

表具教室スタートしました。

4月からスタートして、明日で6回シリーズの最終回になります。

先週の土曜日に完成された方たちは感慨深げにご自分の作品を大事そうに

お持ちになられました。

7月からはもう一度紙の軸装をされる方と、お友達に気軽にプレゼント

したいということで、材料費も製作時間も短縮されるパネル作りにチャレンジされます。

現在は、少人数なので生徒さんの要望をなるべく取り入れながら楽しく作れるような

環境つくりをしています。

kyousitu

 

 

ポリエステル紙を使用した表具技法

今までは、掛軸の作品の洗浄には、主にレーヨン紙を使用していました。

しかし、伸縮性があり、時には一度剥がしてシワを取り、貼り直すという作業が必要でした。

それでもいろんなところで使用されたのは、精錬で安価ですことが理由のようです。

また、馴染みは良いのですが、乾いた時に剥がれにくという煩わしい

癖もありました。

今回、ご紹介するポリエステル紙の特徴は水分を一切吸わない。つまり伸縮性がありません。

また、水に付けても紙の強度が変わりません。

乾いた時も作品との剥離性にも優れています。これは、乾燥後、作品の絵の具などを剥がしてしまうようなこともありません。

レーヨン紙に比べるとやや高価なのはいただけませんが、数回は十分に使用できるのでコスト的にも問題無いと思われます。

工夫次第では、この特性を活かし、様々な用途で出番があるものと思われます。

 

 

 

 

東日本大震災、あれからもう、3年経つんですね。

2011年3月11日東日本大震災が起きました。

資料を整理していたらあの頃のものが出てきました。

少しは役立ったような気がしていましたが、振り返ると・・・????

何か、この経験を生かさないと意味が無いのではないか?

何もできていない自分がいます。

なんでもいいから行動しないと!

岩手レスキュー 岩手レスキュー

「托鉢僧大行列図」其の四(折れ伏せ)

今回は作品が擦り切れている部分、虫食いなどで穴が空いている部分の補彩、欠損部分の補修などがテーマです。

まず、折れているところには通常の白い和紙で補強します。そして、黄土色の紙で補強している部分がありますがこれは、擦り切れて本紙部分が残っていない場合、時代色がすでに付いているのに、裏打ち紙の白い和紙が目立ってしまうため作品の地色と近い色合いが出るように染め紙を使用します。今回の補彩に相当するところでも有ります。この部分を面相筆などで補彩することも有りますが、この方法が妥当であると考えました。

理由としましては、現在の修復保存の考え方は欠落した部分をわからなくすることより以上に、第一に、「作品の表現を現状維持する」ことと、次回の修理作業を作品にダメージを与えずスムーズにできるようにという考え方からです。作品を鑑賞するときにじゃまにならないように。決してわからなくすることが目的ではないからです。

以前の考え方は、作品を「生きているもの」として捉えていたので、キズ等は元通りにするということから、修理部分をわからなくすることが目的でした。

この辺については、http://yoshihara999.com/?p=643ご参照ください。

 

IMG_041   IMG_042 修理者以外見ることの出来ない作品の裏側です。

作品の裏側にも多くの想いが込められているのです。

 

 

 

「托鉢僧大行列図」其の三(劣化絹)

 

 

今回は人間でいうところのレントゲンのようなものです。

肌裏打ちを剥がし終えたら、また詳しく調査します。

下方から光を当て、作品の状態を詳しく調査します。

以前の修理で欠損部分を穴埋めされたと思われる繕いの紙、すでに擦り切れてしまった部分。

そのまま残っているシワなど、様々な情報が光を当てることで詳しく確認できます。 IMG_031 IMG_032 これらを詳しく調査した後、「折れ伏せ」「補修紙」などを入れていきます。

補修紙で穴を埋めた後、画面を安定させるために肌裏を打ちます。余談になりますが、肌裏の紙を貼ることを「打つ」と言います。金箔などは「箔押し」と呼ばれています。

また、本紙の条件(紙ではなく絹本など)によっては、表打ちをした後、肌裏を打ち、画面を安定させてから、「補絹」という作業をします。国宝修理をされている工房などでは、古くなった絹糸と強度を合わせるために、「劣化絹」という物を使用します。残念ながらこの劣化絹は一般の表具屋にはてにはいらないようです。

次回は、肌裏の後の「折れ伏せ」に入ります。古い掛け軸を作る上で一番重要な部分なります。