平面作品との保存と修復 東洋絵画  其ノ四

後継者・材料・道具の問題

後継者につきましては、以前より多くの若伊方に事業所の門戸を叩いていただけるようになりました。特に二十数年前までは、ゼロであった女性の技術者が半数以上の応募が有り、装潢技術者の半数以上を占めるようになりました。平均年齢も30歳代前半という大変若い団体であるという事が、連盟の誇りです。後継者育成という点で、先に消化した定期研修会の他に、連盟の予算で個人研修を募るなど、全体としてのレベルアップを図っています。

また、海外にも目を向け、東洋文化財の保存修理を視野に入れて国際交流にも努めています。

最も深刻な問題は、材料と道具の確保です。文化財の修理には大量の材料、道具が不可欠です。

和紙や織物、金工、指物など日本人の生活様式の変化に伴って全体的な需要が減少するに連れ、伝統的な製品を作る工房の閉鎖が後を立ちません。例えば、軸物の裏打ちに欠かせない美須という絵和紙は接着剤が古糊から科学的な糊へと変化したことに寄って需要が激減し、現在、美須紙を制作しているのは日本でただ1工房のみです。それも60代のご夫婦が制作されており、現在のところ後継者はいないと伺っております。紙以外のものでは、染織品の中に伝統的な技術を守って私達が希望するような表装裂地を織ってくれる工房も、ほんの1,2工房と少なくなっています。

すべての工程出機械化が進んだため、手作業に必要な道具が書く分野から消えていっています。

装潢修理に使用する数種類の刷毛も数工房でしか制作していないのが現状です。このような工房をどのように支援していく事ができるのかが、大きな課題の一つです。具体的には文化庁に相談して選定保存技術の指定をお願いしたり、指定が得られた後には、この工房の製品を文化財の修理に必ず使用して各生産者を支えていくという努力を続けています。これをあらに続けて行かなければならないと考えています。

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参考文献 〜文化財の保存と修復より〜

※ 2012年現在では、あらゆる面で再び減少傾向に有り、厳しい対応に迫られることもあるようです。

 

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