今回は、肌裏打ちの剥がしです。
調査の段階で、すでに肌裏が剥離している状態を何カ所か確認できたので最後まで剥がすことにしました。
場合によっては状態を観て、肌裏を残し、剥離している箇所は糊を入れて以前からの肌裏紙を活かす選択もあるのですが、調べてみると肌裏に使われていた紙は、ハトロン紙のようなもので色も本紙よりも濃く、紙の性質から言っても肌裏には適さないと判断しました。
そこで今回は、ジアスターゼを使用しました。
本紙がかなり損傷していましたので、ポリエステル紙で表打ちを施し、補強しました。
これで、ある程度は本紙の補強になります。
これをするとしないでは、作業の安心感がかなり違います。
表からだけでなく、裏からもポリエステル紙で覆うことで水分の蒸発なども防げます。
また、剥がす際に裏打ち紙に一緒に沿わせることで作業の安全も図れます。
数時間経てばジアスターゼの効力はなくなりますが、残留物がないように下方へ数枚の吸いとりし紙を敷き、残留物を吸いとりし紙に落とします。
この後状態を確認した後、肌裏打ちに入ります。