東京博物館の取り組み 対症修理例  その1

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まず、どのような修理保存に対しても共通ですが、対症修理をするに当たって、必ず守っている条件があります。

それは、、、

①必要にして最小限の処置に留めること

②可逆性のある安定した材料を用いること

③記録を残すこと

修復倫理として、世界で共通認識されている、「オリジナル性の尊重」を念頭においた条件です。

対症修理の例です。

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下図は、紐の新調

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img0013上図は、文化財の表面に付着した汚れの除去。

下図は、掛け軸の掛かりを良くするために軸棒に埋め込まれた鉛の除去と言った作業です。軸棒の鉛の酸化・膨張という問題は、軸装だけでなく、巻子においても同様に起こっています。酸化・膨張した鉛が裂や本紙二傷をつけた後だけでなく、機会があるたびに、軸棒の鉛の有無を確認し、カルテに記録していくようになりました。明らかに膨張の兆しが見られる物に関しては、太巻き芯に巻くなど、膨張が起こった後に鉛と本紙が接触しないようにな工夫などをいて、先手を打って処置を考えております。それは、次に説明する処置につながります。

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参考文献 文化財の保存と修復より

 

 

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