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【柄決め】(がらぎ)め

不思議なもので、お客さんと掛け軸、額装といった和室の品から、インテリアの壁紙やカーテンの柄を選んでいるとき、紙ベテにおいて共通する不思議なことがある。
それは・・・

【なぜか一番最初に気に入った柄に最終的に行き着くことが多い】

これはかなり高い確率で決まることが多い。
同業者にも聞いたことがなんどかあるが、やはり同じ答えがかえってくることがほとんどだ。
以前、メーカーにも聞いたことがある。見本帳には何千種類ものパターンがあるのに似ているようでも、もすごく注文のある柄とまったくでないものとがある。
原因は、まったくわからないといっていたように記憶している。
この理由がわかったら面白いと思うが、わからないところでよいのかもしれない。
目からの情報を脳が瞬時に判断してしまうのかも。

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【時代色と汚れ】

古いものを作り直すときに気をつけていることがある。

それは、どこまで綺麗にするか?ということだ。
できれ薬品など使わずに、水だけで、あるいはぬるま湯程度でサッと流して終わりにしたい。
なぜなら、作品が受けるダメージを最小限にしたいから。

しかし、現実問題そうは行かない。
綺麗にならないと道具屋さんは売りづらい、お客さんはいまいち納得しない。そんな話をよく聞く。まるで、化学調味料が入っていないと味を感じなくなった現代人のように。
そこでポイントになってくるのが汚れと時代色の問題。
作品全体が薄汚れているのは鑑賞するのに邪魔にならないから問題ないが、水をたらしたような、どうしても鑑賞の時、気になるシミはとってほしい。こんな要望が多い。
これは、直す側から見たら性質的に同じものがほとんどです。
全体的に古くなってきた作品に水を上からたらすと、丸い輪染みなります。これは水で紙の表面から浮かされた『汚れ』が中央から輪の周りに寄せられたのです。乾くときは周りから乾燥していくので流されてきた「汚れ」はそこにとどまり、密度の濃い汚れができます。
それが輪染みの原因です。
これはほんの一部でしかありませんが、時代色と染み、汚れというものは私たちにとって、どこまで手をかけるか?永遠のテーマです。

Before&After(クリックすると拡大出来ます)

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【和紙の出来るまで】其の7

第7回

叩解
「延喜式」の工程対照して煮熟は「煮」、漂白・塵取りは「択」にあたり、この後に「截」「舂」があるが、現在はこの二つをあわせて叩解といっている。
「截」というのは塵取りした白皮を切断する工程で、中国には今も残っているが、日本ではコウゾ繊維の長さを生かす技法が発展したため省略された。
叩解は集合した形の繊維束を、個々の背に似分解させ(離解)、さらに分離した繊維を適当な長さに切断したり、適当な幅に破裂させる作業である。
昔はすべて手打ちで、多くは分厚い板(たたき板)あるいは平たい石台の上に置いた原料を樫などたたき棒で、繰り返し打ちたたく。叩き棒は約1メートルの長 く太いもの(大棒)と約50~60センチの小さく細いもの(小棒)があり、それぞれを単独に用いるところのほか、大棒を荒打ち、小棒を細打ちとして併用す るところもある。
叉美濃・飛騨・越中などでは、石盤の上で菊花状の溝を刻んだ木槌でたたく慣わしが残っている。
木槌を2本持って叩くのは重労働であるが、紙料のこなれが良いので、良い紙を漉くための伝統技法として守られている。
時間を掛けて平均して叩きこなす単純な作業の繰り返してあるが、これに費やす労力は非常に大きいので、西欧や中国では水車動力の連碓機やビーターなどを導入するところが増えているが、高級紙の伝統にプライドを持つ紙郷では手打ちを続けている。

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【和紙の出来るまで】其の6

「塵取り」
第6回

塵取り

灰汁抜き・漂白工程を終えた原料は、清水の中のざるの上に一本ずつ浮上させ、指先で丁寧に塵(繊維の損傷部分や汚物)を取り除くが、高級紙は何回も数人の目で塵取りを繰り返して精選する。
昔は川べりの小屋(川小屋)で、今は室内で作業しているが、その精選度は紙の品位と深い関係がある。
この後布袋に入れて水中で揉み洗い、澱粉質などの不純物を完全に流しさる作業(紙だし、さぶりがけ)をするところもあるが、これは紙料の純度をさらに高めて、良紙を作るためである。
叉近年は省力化のため、ミツマタやガンピにはスクリーンと称する除塵機を用いることがある。

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【和紙の出来るまで】其の5

「漂白」
第5回

漂白
白皮を漂白するには天然漂白と薬品漂白の二つの方法がある。
伝統技法では主として天然漂白の晒しであり、河川の浅瀬に石垣で小さな堰を作って塵埃(じんあい)・汚物などの流入を防ぎ、そこで清流に浸す。ここを晒し 場あるいは出場といい、普通は束ねたまま並べるが、奈良県吉野の紙郷で花びらのように開かせている。山間の高地で清流の遠いところでは、畑に浅い池を設 け、竹すだれをしいて小流を導くが、高知県吾川村などでは冬の休耕田を活用している。このようにすると、水中の酸素が日光の紫外線の作用によって生成され る過酸化水素及びオゾンの働きで自然に漂白される。
叉北陸などの降雪地では、晴天の日に雪上に広げ薄く雪をかぶせ、時々ひっくり返しながら放置しておく。雪晒しといい、この方法によるものは光沢が良い。
ともかく天然漂白は繊維の光沢・強靭さを保たせる理想的な方法である。しかし時間がかかるので、いまでは消石灰に塩素ガスを作用させて製造した晒粉(カルキ、次亜塩素酸カルシウム)を用いることが多い。
この薬品漂白は明治末期から始まっており、漂白粉を多く使って時間を長くすれば、純白の紙料を得ることが出来るが、繊維が損傷し、光沢が低下する。強い紙を作るには、やはり天然漂白が優れている。

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【和紙の出来るまで】其の4

「煮熟」
第4回

煮熟(しゃじゅく)
白皮だけにしただけの原料は、純粋なセルソース(繊維素)のほか、ヘミセルロース・リグニン・ペクチン・タンニン・澱粉質・たんぱく質・脂肪・糖類・鉱物質その他の不純物を含んでいる。
そこでアルカリ性の溶液を加えて高温で加熱し、原料の中の不純物を出来るだけ水に溶ける物質に変え、水に流し去って比較的純粋な繊維素だけを抽出するために、煮熟する。
アルカリ性溶液としては古くから草木灰の灰汁が用いられ、「紙漉重宝記」には、そば殻の灰、蝋灰(ろうはい)(木蝋、すなわちハゼの木の灰)のほか石灰を 記している。明治期になってソーダ灰(炭酸ソーダ)や苛性ソーダを用い始めたが、良質の紙つくりには草木灰がよく、奉書紙には蓬のもぐさ灰・桐油(とう ゆ)鬼殻灰・楢(なら)合歓(ねむ)の木の雑木灰・稲わら灰のほか加賀藩の幕末進納用には青ずいき(里芋の茎)を干して焼いた灰を持ちたとされる。
煮熟を終わると釜から取り出し籠に入れて水中に放置するか、清水を満たしたコンクリート製タンクに均等にひろげて浸し、絶えず水を流動させながらアルカリ成分を抜く。
河川の浅瀬で一定の面積を川石で区切り、2昼夜くらい放置するのが本来の方法で、これを川晒しとも言うが、天然の漂白もかねている。

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【和紙の出来るまで】其の3

「表皮削り」
第3回

表皮は黒皮、甘皮、白皮の3層から成り立っているが、白皮を作るために一夜ほど水に浸してやわらかくしてから、藁草履(わらぞうり)の裏側を上にして縛りつけた木台の上に乗せ、包丁をあてて表皮を削り取る。
黒皮層と甘皮層を削るのが普通であるが、石州半紙の原料のように甘皮層を残す場合もある。
叉水溜りや小川の中の平らな石の上で、素足でよく踏んで表皮を除く方法もあり、これを楮踏み言う。
削り取った部分を、かす皮・そそりかす・こかわ・へぐり皮・さる皮などというが、これらは塵紙などの原料として用いる。
かす皮を去った白皮は、紙水の中で洗い数時間浸しておいて、水に溶ける部分を、流しさる。この川晒しと、乾燥・塵取りを、六日ほどかけて二回行ったのを本晒し、3日ほどで仕上げたのを中晒しという。

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【和紙の出来るまで】其の2

「皮剥ぎ」
第2回

コウゾの生木を約1メートルに切りそろえて小束にする。
平釜に水を入れ、その上に竹箐(たけす)を並べ、先の小束を乗せ、周囲を縄で縛って動かないようにする。その上に「こしき」と呼ぶ大桶を逆さにかぶせ、火を焚いて蒸す。コウゾの束を釜から取り出して冷水を振り掛けると、木質部からはがれやすくなる。
根元のコウゾ皮を少し爪で剥いで次に左手で木質部を握り、右手で握って左右に開いていくと皮がたやすく剥げる。
それを一握りづつ束ね、竹竿などにかけて十分に乾燥する。
剥ぎ方によって黒川部が表面に現れるのを黒剥ぎ(片剥ぎ)という

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【和紙の出来るまで】其の1

「刈り取り」
第1回

秋の落ち葉した後から翌年の芽の出る前の期間に、厳冬期を避けて刈り取る。一枝も残さないように全部を刈り取るのが良く、翌年に均等な品質のものが育つ。
コウゾは植えつけた年から刈り取るが、第2年目までの収穫は少なく、第5年目から第8年目のものの収穫が最も多く、その後次第に減っていく。
鋭利な鎌で地面に近いところを一気に刈り取って、切り口に裂け目のないようにし、切り口に日光が直射して腐敗しないように注意する。

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【和紙の出来るまで】

「和紙の出来るまで」
紙(和紙)はどのように紙料を処理するかによって決まる。
和紙の主原料であるコウゾの紙料処理は、
刈り取り

皮剥ぎ

表皮削り

煮 熟(しゃじゅく)

漂 白

塵取り

叩 解(こうかい)

以上の工程で進められる。

明日から第1回目「刈り取り」から7回シリーズです。

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