「表皮削り」
第3回
表皮は黒皮、甘皮、白皮の3層から成り立っているが、白皮を作るために一夜ほど水に浸してやわらかくしてから、藁草履(わらぞうり)の裏側を上にして縛りつけた木台の上に乗せ、包丁をあてて表皮を削り取る。
黒皮層と甘皮層を削るのが普通であるが、石州半紙の原料のように甘皮層を残す場合もある。
叉水溜りや小川の中の平らな石の上で、素足でよく踏んで表皮を除く方法もあり、これを楮踏み言う。
削り取った部分を、かす皮・そそりかす・こかわ・へぐり皮・さる皮などというが、これらは塵紙などの原料として用いる。
かす皮を去った白皮は、紙水の中で洗い数時間浸しておいて、水に溶ける部分を、流しさる。この川晒しと、乾燥・塵取りを、六日ほどかけて二回行ったのを本晒し、3日ほどで仕上げたのを中晒しという。