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接着するとは・・・

「接着するということ。。とは」
糊のことについて書く前にひとつ大事なことを忘れていました。

そもそも接着するということを、いまだ誰も、証明したひとがいません!

たとえば、紙と木は糊を間に入れ、乾燥させると・・・付きます。

ガラス窓に、ぬれたハンカチをベタ!と貼ります。。。付きます。

乾燥した後、ハンカチを剥がすとき割と簡単にはがれます。

木と紙はどうでしょう?かなりの力で付いています。

前者と後者の違いはどこでしょう???

たとえば、糊を水で薄めたものならば、乾燥後でも簡単にはがせます。

これをどんどん糊の濃度を水に近づけていくと・・・

もし、糊でつけたものが接着で水でつけたものがそうでないならば、どこからどこまでが接着なのか???

接着剤で物と物が付くということは幼稚園児でも知っています。

現在、瞬間接着剤からマイナスの気温下でも、水の中でも接着できる時代ですが、それを証明した人はいまだいません!

よく、接着とは、接着力の強さを問題にしますが、表具における接着とは、将来剥がすことを前提にかんがえられています。

つまり、入り口ではなく出口から出発しています。

ついに、1000億円を割る!

2011年骨董品の市場規模が1000億円を割る。

207年にピークの2180億円をつけた後、とうとう900億円になっていまいました。

バブル期を一般に1985年~1991年ごろ日本の好景気を指すとすれば、

バブル崩壊は1991年に起こった現象。

その後、『就職氷河期』や『土地価格の下落』など、日本経済の停滞が長期化することとなる。平成大不況?失われた10年に突入。

と記されていますが、その数年後の2007年に骨董市場のピークを迎えているということはどのような要因が考えられるのでしょうか?

1991年 倒産件数(10723) 宮沢内閣    ここから倒産件数が増加を始める

2000年     負債総額のピークを迎える

2001年     (19164) 小泉内閣    ここで、やっと倒産件数が減少を迎える

2006年     (13245) 安倍内閣    しかし、ここから再び倒産件数の増加が始まる

2007年     骨董市場のピークを迎える(218億円)

2008年     (15646) 麻生内閣    2度目のピークを迎え、自民党政権の終焉

その後、民主党政権へと移り変わっていく

感の良い方はすでにお気づきであろうが、おそらく収集した美術品の投げ売りが出たのではないでしょうか?

ここで日本の美術環境についておさらいをしておきたいと思います。

美術品全体で見ると、この分野には2つの市場がある。1つは「プライマリー市場」。これは作家が作ったばかりの作品にギャラリーが値段をつけて売る、最初の売買市場である。2つ目に、それが転売される市場があり、これを「セカンダリー市場」という。

両方あわせた日本の美術市場規模は1000億円といわれる(Art Trendy.net調べ)。国内オークション、交換会、百貨店美術部、美術商の取 引の合計である。このうち現代美術は約1割、約100億円程度と見込まれるが、これは世界の美術取引市場のわずか1~2%程度でしかない。

ある画廊経営者は海外の同業者からいつもこう言われるそうだ。「日本に足りないのは顧客。とにかく日本人は現代美術を買わない」

現代美術の作家の数はどうか。日本には現在3万人の画家がいる。そのうち約1%の300人程度がプロ、つまり作品制作のみで生計を立てている人といわれ る。既に亡くなった人も入れて明治以降の作家で“値のつく作家”をカウントすると600名前後になると推計されます。(わずか600人!?)

作品の価格はどうか。著名作家は20万~数億円、新人は数万~数十万程度である。特徴的なことは価格の変動だ。美術品の価格は作家が存命なうちは変動しやすい。作品価値が定まらないからだ。近代美術や日本画では他界した作家が多く安定的に高値がつくことが多い。

逆に言えば、生きているうちは、高値がつかない。

 

傾向としては海外のコレクターは好んで現代美術を買う。リスクは大きいが、値上がり益も見込めるからだ。これに対して日本のコレクター、特に公立美術館は保守的だ。リスクを避けて現代美術よりも近代作品を購入しがちだ。

ちなみに、豊胸手術の市場規模は855億円だ。

近い将来、追いぬかれたときは胸を貸してもらうべきか?

 

 

 

参考文献  ウィキペディア、日経BPより

伝統的修復技術を取り巻く環境 其の5

【修理費などの経済状況】

国指定の文化財のうち、国の補助金で修理している修理総額は年間約10億円です。

平城京に建設された朱雀門の総工費は40億円とのことです。日本の美術工芸品を保護するために国が予算設置して文化財を修理で切る総額は10億円です。3府県の国宝・重要文化財の所有率は約35%です。それなのに、現在では近畿3府県で修理費の約70%を使っていることになります。近畿3府県を除く他の府県に文化財画約65%ありますが、それ他の文化財に対して修理が十分に行われていないことになります。

これに対して近畿3府県の修理補助金額を見てみましょう。例えば、1999年の近畿3府県の修理額が約7億2400万円であるのに対して、近畿3府県の補助金額が約3300万円です。実に修理費の5%内外歯科負担できていません。国の予算が増加していっても、それに十分に随伴できていないのが地方財政の現状なのです。また、近畿3府県の文化財所有者のかなでも修理費を出資できる者と、できない者がいます。国が修理費の約65%、近畿3府県が約5%負担すると、所有者の経費負担している計算になります。これですべての文化財修理画できるわけではありませんが、国宝・重要文化財など文化財としての重要性が高く技術的な難度を求められる修理が年間10億円でなされているのです。

25年度の文化庁の予算の概要です。こちらです

 

下記は1999年〜2001年までの国指定美術工芸品修理費

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伝統的修復技術を取り巻く環境 其の4

【修復時の温湿度や生物被害などの保存環境】

最近では修理の現場においても、保存科学的な知識が必要になてきております。

保存科学の目で、修理における文化財環境を考えていかねければならない状況です。修理される文化財は、例えば表具であれば本紙一枚に解体されて、表具し直されて行きます。其の作業の過程にいける文化財は、言うならば裸でいる状態、無防備な状態です。人間の治療に入っているのと同じような状況下で、文化財は修理されているのです。文化財修復現場の環境は、博物館に保存されている時以上にある意味ではデリケートでなければいけません。これからは修復時の保存環境にも科学的な検討が加えられていくことでしょう。街の表具屋などでは店先で未防備に修理を行なっているのも見かけますが、今日では、京都国立博物館内の文化財保存修理所などの現場では、博物館などとどうようなに徹底した防犯・防災を行うことが当然の事になっています。

博物館などではあたりまえになっている温湿度や紫外線に関する対応の当然重要視されるようになってきています。伝統的保存修復の現場も保存科学と切っても切り離せない時代になってきたのです。

これからの文化財の保存科学は博物館などではもちろんのこと、寺社などの観光地や修復現場においても、より一層検討されることが重要になでしょう。

しかし、理想と現実には隔たりが存在し、次の「修理費などの経済状況」へと繋がっていきます。

参考文献 文化財の保存と修復より

 

 

 

伝統的修復技術を取り巻く環境 其の3

【文化財修理にあたる修復技術者】

文化財修理にあたる修復技術者を取り巻く環境については、よく理解しているとはいえません。

国宝重要文化財などを扱う修復技術者は保存団体として、木造彫刻修理について(財)美術院が、表装などに関しては国宝修理装潢師連盟が認定されています。これらの保存団体の修復技術者には大学出身者が増えてきました。かつては美術史系の大学出身者が中心でしたが、最近は芸術系、更には文化財を専門に勉強する文化財学科系からの出身者も多くなって来ました。

京都にも文化財を直接学問対象とする大学が増えています。

また、大学自体が学内に博物館相当施設を持って博物館学を充実させ、さらに学芸員資格を取りやすくしたり、文化財資料を一般に公開する大学も増えています。博物館相当施設と言えば昔は京都大学くらいしかありませんでしたが、現在では同志社大学、京都市立芸術大学、京都造形芸術大学、精華大学や花園大学など随分と増えました。

これらの大学で学んだ学生のかなには文化財修復技術者を目指すものも多くいることでしょう。

しかし最近の文化財修復はただ昔ながらの伝統的な技術だけでやっていれば良いおいう時代ではなくなってきました。これまでの伝統的な技術に加えて、修理を論理的・科学的に分析する視点も重要になってきています。21世紀の文化財修復は、博物館などでの文化財の保存・展示などに対して「保存科学」があるように、修理に対して「修復科学」といったものが要求される時代になるでしょう。伝統的修復という場合、昔ながらの職人意識による職人的な修理も重要な要素ですが、今後は修復技術者にも論理的思考(修復哲学)が更に求められるようになっていくでしょう。

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参考文献 文化財の保存と修復  文化座保存修復学会/編

 

 

 

伝統的修復技術を取り巻く環境 其の2

【伝統的修復技術保持者の現状】

まず、修復や表装を行う場合、其の材料の供給はどうなっているのかを紹介します。

一般には耳慣れない言葉ですが、「文化財保護法」の中に選定保存技術という制度があります。選定保存技術とは、文化財の保護のために不可欠な伝統的技術または技能で保存の処置を講ずる必要がるものを指します。1975年に「文化財保護法」が改正された年にできた新しい制度です。

人間を文化財に指定あるいは認定する場合、無形文化財(いわゆる人間国宝)があります。

それはその人が保持している技術そのものが歴史的、芸術的な価値の高い方のことです。

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それに対して、選定保存技術保持者とは、歴史上、芸術上の価値の如何にかかわらず、文化財の保存に不可欠な技術技能を正しく会得、精通している人たちのことを指します。

現在、選定保存技術保持者は42件、保持者数は46人で、同じ技術で複数の方が認定されている場合もあります。保存団体として、16件、16団体が指定されています。この中には伝統的な建造物の修理に関わる技術お多くあります。この中には表具用の手漉き和紙の製作者、表具用の古代裂の製作者や、美術工芸品を収める桐箱の製作者などが選定されています。

ここで問題になるのは、これらの伝統的修復技術をなぜ、認定するのかということです。

処置を講じなければ失われていくから認定されるわけです。

逆に言えば、伝統的修復技術というものが非常に危機的な状況にあるとも言えます。美術工芸品の修復を支えるのに不可欠な技術を持った保存技術者はそうたくさんいるわけではありません。

参考文献 文化財の保存と修復  文化財保存修復学会/編

 

 

伝統的修復技術を取り巻く環境 其の1

【伝統的修復技術を取り巻く環境】

絵画・彫刻・書跡など日本古来の文化財の修復には、伝統的な技術と同時に、伝統的な修復の材料となる紙や絹や裂や糊、材木や漆・膠(にかわ)など画不可欠です。

同時にいたんだ表面の修復や劣化した部分の材質今日かなどに伝統技術だけで対応出来ない場合もあり、新しい技術・材料の開発画必要となって来ます。

其のために「修復」おいう概念の、だんだんに「伝統的なもの」カラ、21世紀の新しい概念・理念へと変化が求められるものとおもわれます 。

今日、文化財保存や修復技術を専門とする学科を設置した大学が増えており、この会場にも多くの若い学生の方がおられます。中には文化財修復技術が今後ますます発展して行く可能性はあるとしても、伝統的な修復を地理膜環境は、ある意味で危機的な助教に置かれており、必ずしも楽観できるのばかりではありません。

これは平成14年の論文で、現在(2013年)も環境としては改善の兆しは感じられないというのが現状です。

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参考文献 文化財の保存と修復

 

伝統的な保存修復を取り巻く環境

来週は、伝統的な保存修復を取り巻く環境についてご紹介したいと思います。

其の1 伝統的修復技術を取り巻く環境

其の2 伝統的修復技術保持者の現状

其の3 文化財修理にあたる修復技術者

其の4 修復時の温湿度や生物被害などの保存環境

其の5 修理費などの経済状況

装潢技術の変遷 其の4

修復材料としての紙の復元について少し触れておきたいと思います。

まず、繊維の種類を観察します。顕微鏡によって、楮(こうぞ)、雁皮(がんぴ)、三椏(みつまた)中国の紙の繊維などの区別ができるようになります。更に、繊維の長さを見ていくと、長芋の、短いものもあり、加工してあるものと未加工のものがあることが分かって来ました。

更に視点を変えて、繊維の長さや切り口有無、状態などを調べる事によって、古文書のように記録を残すための紙、絵を書くための紙、またお経を書く紙など、すべて加工方法の違いによって紙の種類が、時代に於いて大きく区別されているように見えます。

漉いただけのものが生の紙で、これは文字を書くだけの記録用紙として使われます。

生の紙を、打つ、染める、化粧する、これらを紙加工といい、打つ事によって紙の密度が高まります。密度は厚さと重さと面積から算出しますが、紙が漉かれた状態から密度を上げるには、打つなどの加工をしていると思われます。表面の色艶(いろつや)、滑らかさの違うものも同様です。

実際の復元作業を通じて、様々なことがわかってくるのです。

このようにして、修復時に様々な料紙の裏面などから極微量の繊維を採取しデータを取るように指定ます。この十数年で1000例近いデータを集めることができました。(平成12年)

これが5000例を超えるとデータによって料紙の用途における加工や時代などの分類がはっきりとしてくるものと期待しています。

参考文献 伝統に活かすハイテク技術より 文化財保存修復学会/編

 

 

 

 

装潢技術の変遷 その3

近年では、脆弱な本紙を支える肌裏紙(1枚目の裏打ち紙)も改良が加えられています。

劣化絹が最新の科学技術で加工されているのに対し、紙の場合には従来の手漉き和紙と同素材、同組織で伝統的な技法で作られています。特徴的にも伝統的な和紙と変わるところはありません。ただし、普通、和紙の寸法は60㌢×90㌢ですが、改良したものは60㌢×250㌢と長版となっており、長尺の画絹に描かれた巻物などの修理に欠かすことのできないものとなっています。

このように前者は科学技術で加工し、後者は伝統技術を改良して現代に活かすなど、装潢技術も進歩を遂げているのです。

ここに至るまでの模索は、素材自体を知る糸口友成、また新技術の導入は修理方法をも変化させて始めています。修理前にカラー、モノクロ、赤外線、X線などの写真撮影で傷み具合が詳細に記録され、それを基に修理方針が立てられます。また、修理中にも記録が取られ、次回の修理時に今回の修理内容を把握することができるようになっています。しかし、実際に工房で行われていることは伝統技術そのものです。糊の使い方素材の選び方、仕上げ方などは、伝統的に受け継いだ技術が中心となっています。

更に、表装形式一つをとっても、これ以上、改良の余地がないほど完成度が高いともいわれています。言い換えると、新技術や新機器は、より高度な完成を目指すための補完的なものです。

接着剤にしても、これまで色々と工夫や改良がなされてきた歴史があり、今後も続くと思われます。それによって、今導入されつつある新しい技術や方法、考え方も100年後には伝統技術の一部になっているかもしれません。