展示するには修理が必要

「探検バクモン」という番組で、7月20日に再放送が決まりました。

 

探検記録アンコール 秘宝ザクザク!東京国立博物館(放送:2013年7月3日/再放送予定:2013年7月20日)

http://www.nhk.or.jp/bakumon/prevtime/20130703.html

今回はこの時に爆笑問題のお二人を案内をされている神庭修復課長のパネルディスカッションの一コマをご紹介いたします。私が、3.11の岩手レスキューに参加した時に幾度かお会いさせて頂きました。当時は、そんなに偉い人とは知らなかったので、今になってから変な汗が出てきます。

東博の所蔵品の点数は、公式的には11満点と言われております。ただし、1件に2点、3点、あるいは100点というように、件数を細かく個別に見ていくと数百万点が収蔵されています。それを言い出すときりがないので件数でお話しますが、東博では常時、皆様の目に触れやすい作品は5000件です。つまり、年間5000件ほどが常設展示されています。その他、数線点を館外へ貸出ていますので、大雑把に言って約1万件が頻度高く利用されている収蔵品です。この1万件に痛みが多いわけです。例えば、巻物ならば折れが発生して修理しなければならない時期が来ます。それを見て行くと、正確な数字はお答え出来ませんが、1万件の中に相当数が本格的な修理を必要としています。しかし、それらを一挙に修理することは不可能です。全部修理するには数百年かかると思います。

そこで優先順位をたてるようにしています。具体的菜痛み具合をきちんと把握するため、先ほどご紹介したようなカルテを作製しながら進めています。それでも年間、数百点の調査しか出来ません。1満点全体が把握出来れば、難点出何年掛かります。と直ぐいえますが、今は、数千点が修理を待っているとしか言えません。実際は、それ以上かもしれません。

これまで1年間に100件の本格修理を積み重ねてきています。経費をこのまま維持出来れば、1万件ならば100年、2万件であれば200年掛かります。そのようなオーダーで考えていかければならない問題です。

人気があって、良く展示されたり、他館に貸し出されるものはある意味規則正しく痛みます。1年に1回の展示を100回行うと、100年たてば紙ものなら折れが目に見えるようになります。そのように痛みが進行して修理していくという感じです。すべて修理するのに100年掛かるとすると、1周したら最初のものが傷んで来ているという無限のサイクルのかなで手当していくことになります。博物館だけでなく、文化財を管理するあらゆる立場の人たちは、そのような状況にいると考えて頂いて良いわけです。

参考文献 文化財の保存と修復より

 

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