修理」タグアーカイブ

【各団体の紹介と役割の違い】

それぞれの団体の概要を抜き出してみたのですが、表現や目的の違いにも目を向けると興味深いものがあるようです。

【国宝修理装潢師連盟】http://www.kokuhoshuri.or.jp/01_about/index.html

国宝・重要文化財を中心とした文化財(美術工芸品)の保存修理を専門的に行っている修理技術者集団です。主に日本・アジア地域で製作された「絵画」「書跡・典籍」「古文書」「歴史資料」などを修理対象としております。

国の選定保存技術「装潢修理技術」の保存団体として技術の発展及び向上を図り、文化財修理及び関連する諸事業を通じた社会貢献を行っています。

【全国表具経師内装組合連合会】http://tokyo-hyougu.jp/zenpyoren.html

当協会は、表具・経師・内装インテリアという3つの大きな業種部門から成り立って居り、それぞれに卓越した技能を保持または伝承する会員で構成され、現代に輝かしい実績を維持しております。

しかしながら長い伝統を持ち、日本人の生活の中に生き続けてきた「表具」「経師」も現代社会の多様化する形態に応じて新しい方向性を期待されていることも事実です。

これまで培い養われてきた日本の伝統技術・技能を正しく保存・継承しつつも、そのうえに社会やユーザーのニーズに合わせ創意工夫を重ねて新しい技術の展開を図る事、それが技能集団である我々協会に課せられた課題であります。

会員の専門技術、知識の向上ならびに社会的経済的地位の向上を図ると共に、日本固有の伝統技術の保存と継承を積極的に行い、この分野の技能に対する社会的評価を高め、もって表具経師内装業界(表装・襖・内装・額・屏風・衝立などを手掛ける事業)の健全な発展と文化・公益に寄与することを目的としています。

【文化財保存修復学会】http://jsccp.or.jp/

文化財保存修復学会は、文化財の保存に関わる科学・技術の発展と普及を図ることを目的とした学会です。文化財保存にさまざまな立場から携わる専門家が集まり、研究、教育、一般向けの文化財に関わる知識の普及など活発な活動が行われています。

【文化財保存支援機構】(JCP)  Japan Conservation Project

私たち文化財保存支援機構は、「文化財」の保存活動を通して「人間にとって大切なもの」「失ってはならない大事なもの」を、未来に伝えていきたいと考えています。「文化財」とは、人間が地上に生を受けてから連綿と紡ぎ出し、営々と積み上げてきた歴史と文化の証しであり、生活の英知と美意識の結晶に他なりません。国が変わり、言葉が変わり、民族が異なっても、その価値が変わることはないでしょう。私たちは、これら人類共通の遺産を護り、育み、次世代に伝えていくために組織されたNPO法人です。

ちなみに私が参加している団体は、このJCPです。

【博物館・美術館・ギャラリーそれぞれの違い】

以前、お客様から尋ねられ、答えられなかったことから調べてみました。

 

【博物館】

簡単に言うと、図書館以外の展示施設は総じて「博物館」になるのです。この中には動物園や植物園なども含まれます。
名乗りについては、特定の展示ジャンルにとどまらず広範に収蔵しているところが何も付かない「博物館」になると思います。ジャンルを美術に絞っていれば、「美術(博物)館」になるわけです。
“美術館と博物館の違いはなく、美術館は博物館の一部である。”

出典【朝日マリオン・コム】美術館 素朴なクエスチョン

(YAHOO知恵袋より抜粋)

【美術館】

美術館とは、博物館の扱う分野のうち、ごく限られた「美術」を独立させた施設。
博物館には大別して歴史系と自然史系があり、歴史の中には考古や経済、政治、文化があって、その文化史の一部を独立させたのが美術館だそうです。
美術館は美術作品を中心に文化的な作品を収集・展示・保存し教育・普及・研究を行う施設を指します。
中には東京都現代美術館のように収集や保存は行っていない美術館もありますが、たいていは収蔵品を常設展示するか、他から作品を借り受けて企画展示を行っています。
また、学芸員や美術作家などによるワークショップなども行い美術教育・普及の活動をしています。

【アートギャラリー】

画廊とも呼ばれ主に画商・美術商が経営しているものが多く、多くは販売目的の企画展示が主。
あるいは貸し画廊も同時に行っているケースも多々あります。
極めて稀に公共的なギャラリーが貸しギャラリーの合間に美術普及を目的とした企画展示を行うケースもあります。

(YAHOO知恵袋より抜粋)

【文化財における修理と修復の違い】

これにつきましては様々な考え方、見方があると思いますが、美術品に対しての考え方が時代により移り変わってきたことも要因にある考えられます。
もちろん時代にもよりますが、一例を挙げますと、「美人画」などは現代において、エックス線を照射することで、使われている絵の具の成分や絵の具の層
までもわかるようになりました。ある時代の物は、女性の裸体から描き始め、肌着を着せ、幾重にも丁寧に一枚一枚描いていったそうです。
つまり【命】を吹き込んでいくという考え方が根底にあるのだと思われます。この場合、絵画が損傷したときにわからないようにすべてを描ききる作業がされたそうです。
元通りにもどす技術【修復】。最近では、作者以外者が手をいれるということは、オリジナリティーが損なわれるということから絵の鑑賞、保存に妨げにならない
処置、命ではなく、美術品としての対応をしているようです。そこが【修理】ということになるのではないかとおもいます。
もっと詳しくお調べになりたい方は、下記をご参照ください。

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※画像は文章と直接の関係はありません。

「参考文献」

【東京文化財研究所】
日本における近世以前の修理・修復の歴史について
http://bit.ly/10Sjynh

【世界遺産と国宝と重要文化財の違いとは】

一括りにしてしまいがちですが、当然ながら明らかに線引がされています。

この線引で、補助金がなどが国からなのか、地方団体なのか、両方からなのかが、変わってきます。

国宝・・・重要文化財の中でも価値が高いもの

重要文化財・・・後世に伝えるために法律によって保護した国民的、芸術性価値のある国民の財産。文化財保護法によると、文化財を「有形文化財」「無形文化財」「民俗文化財」「記念物」及び「伝統的建造物群」と定義し、これらの文化財のうち,重要なものを重要文化財として国が指定選定し、重点的な保護の対象とするそうです。

主に都道府県が中心となり文化財の調査が行われます。その調査報告書が国に提出され、審議会にかけられ決定します。

国宝は有形文化財で特に価値の高いものについて指定されます。国(文部大臣指定)で認可されます。

(教えてgooより)http://oshiete.goo.ne.jp/qa/500569.html

国宝(こくほう、英語:National treasures)とは日本の文化財保護法によって国が指定した有形文化財(重要文化財)のうち、世界文化の見地から価値の高いものでたぐいない国民の宝たるものであるとして国(文部科学大臣)が指定したものである(文化財保護法第27条第2項)。建造物・絵画・彫刻・工芸品・書跡・典籍・古文書・考古資料・歴史資料などが指定されている。法的には、国宝は重要文化財の一種である。

重要文化財(じゅうようぶんかざい)とは日本に所在する建造物、美術工芸品等の有形文化財のうち、文化史的・学術的に特に重要なものとして文化財保護法に基づき日本国政府(文部科学大臣)が指定した文化財を指す。重文(じゅうぶん)と略称されることが多い。
地方公共団体(都道府県、市町村)がそれぞれの文化財保護条例に基いて指定する有形文化財についても「県指定重要文化財」「市指定重要文化財」等と呼称される場合があるが、単に「重要文化財」という場合は通例国が指定した有形文化財のことを指す。

(知恵袋より)http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1119930186

ウイキペデリアより抜粋

「重要文化財」
日本にある建造物、美術品等の有形文化財のうち、歴史的・学術的に特に重要なものを日本国政府(文部科学大臣)が文化財保護法に基づいて指定したもの。
建造物-2,367件4,363棟
美術工芸品-10,388件
絵画-1,969件
彫刻-2,647件
工芸品-2,423件
書跡・典籍-1,876件
古文書-734件
考古資料-578件
歴史資料-161件

「国宝」
重要文化財の中でもとくに世界文化の観点から価値が高く、他に類を見ないとみなされた文化財を、「国民の宝」として日本国政府(文部科学大臣)が指定したもの。
建造物 215件(263棟)
美術工芸品 866件(以下内訳)
絵画 158件
彫刻 126件
工芸品 252件
書跡・典籍 223件
古文書 60件
考古資料 44件
歴史資料 3件

「世界遺産」
世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約(世界遺産条約)に基づいて、世界遺産リストに登録された遺跡・景観・自然など、人類が共有すべき「顕著な普遍的価値」をもつ不動産。
ユネスコの世界遺産センターが判定し、世界遺産会議で審議・認可される。
日本の世界遺産は
文化遺産 [編集]
1.法隆寺地域の仏教建造物 – (1993年12月)
2.姫路城 – (1993年12月)
3.古都京都の文化財 – (1994年12月)
4.白川郷・五箇山の合掌造り集落 – (1995年12月)
5.原爆ドーム – (1996年12月)
6.厳島神社 – (1996年12月)
7.古都奈良の文化財 – (1998年12月)
8.日光の社寺 – (1999年12月)
9.琉球王国のグスク及び関連遺産群 – (2000年12月)
10.紀伊山地の霊場と参詣道 – (2004年7月)
11.石見銀山遺跡とその文化的景観 – (2007年6月)
自然遺産 [編集]
1.屋久島 – (1993年12月)
2.白神山地 – (1993年12月)
3.知床 – (2005年7月)

となっています。(ウィキペディアから抜粋)

【柄決め】(がらぎ)め

不思議なもので、お客さんと掛け軸、額装といった和室の品から、インテリアの壁紙やカーテンの柄を選んでいるとき、紙ベテにおいて共通する不思議なことがある。
それは・・・

【なぜか一番最初に気に入った柄に最終的に行き着くことが多い】

これはかなり高い確率で決まることが多い。
同業者にも聞いたことがなんどかあるが、やはり同じ答えがかえってくることがほとんどだ。
以前、メーカーにも聞いたことがある。見本帳には何千種類ものパターンがあるのに似ているようでも、もすごく注文のある柄とまったくでないものとがある。
原因は、まったくわからないといっていたように記憶している。
この理由がわかったら面白いと思うが、わからないところでよいのかもしれない。
目からの情報を脳が瞬時に判断してしまうのかも。

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【時代色と汚れ】

古いものを作り直すときに気をつけていることがある。

それは、どこまで綺麗にするか?ということだ。
できれ薬品など使わずに、水だけで、あるいはぬるま湯程度でサッと流して終わりにしたい。
なぜなら、作品が受けるダメージを最小限にしたいから。

しかし、現実問題そうは行かない。
綺麗にならないと道具屋さんは売りづらい、お客さんはいまいち納得しない。そんな話をよく聞く。まるで、化学調味料が入っていないと味を感じなくなった現代人のように。
そこでポイントになってくるのが汚れと時代色の問題。
作品全体が薄汚れているのは鑑賞するのに邪魔にならないから問題ないが、水をたらしたような、どうしても鑑賞の時、気になるシミはとってほしい。こんな要望が多い。
これは、直す側から見たら性質的に同じものがほとんどです。
全体的に古くなってきた作品に水を上からたらすと、丸い輪染みなります。これは水で紙の表面から浮かされた『汚れ』が中央から輪の周りに寄せられたのです。乾くときは周りから乾燥していくので流されてきた「汚れ」はそこにとどまり、密度の濃い汚れができます。
それが輪染みの原因です。
これはほんの一部でしかありませんが、時代色と染み、汚れというものは私たちにとって、どこまで手をかけるか?永遠のテーマです。

Before&After(クリックすると拡大出来ます)

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【和紙の出来るまで】其の7

第7回

叩解
「延喜式」の工程対照して煮熟は「煮」、漂白・塵取りは「択」にあたり、この後に「截」「舂」があるが、現在はこの二つをあわせて叩解といっている。
「截」というのは塵取りした白皮を切断する工程で、中国には今も残っているが、日本ではコウゾ繊維の長さを生かす技法が発展したため省略された。
叩解は集合した形の繊維束を、個々の背に似分解させ(離解)、さらに分離した繊維を適当な長さに切断したり、適当な幅に破裂させる作業である。
昔はすべて手打ちで、多くは分厚い板(たたき板)あるいは平たい石台の上に置いた原料を樫などたたき棒で、繰り返し打ちたたく。叩き棒は約1メートルの長 く太いもの(大棒)と約50~60センチの小さく細いもの(小棒)があり、それぞれを単独に用いるところのほか、大棒を荒打ち、小棒を細打ちとして併用す るところもある。
叉美濃・飛騨・越中などでは、石盤の上で菊花状の溝を刻んだ木槌でたたく慣わしが残っている。
木槌を2本持って叩くのは重労働であるが、紙料のこなれが良いので、良い紙を漉くための伝統技法として守られている。
時間を掛けて平均して叩きこなす単純な作業の繰り返してあるが、これに費やす労力は非常に大きいので、西欧や中国では水車動力の連碓機やビーターなどを導入するところが増えているが、高級紙の伝統にプライドを持つ紙郷では手打ちを続けている。

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【和紙の出来るまで】其の6

「塵取り」
第6回

塵取り

灰汁抜き・漂白工程を終えた原料は、清水の中のざるの上に一本ずつ浮上させ、指先で丁寧に塵(繊維の損傷部分や汚物)を取り除くが、高級紙は何回も数人の目で塵取りを繰り返して精選する。
昔は川べりの小屋(川小屋)で、今は室内で作業しているが、その精選度は紙の品位と深い関係がある。
この後布袋に入れて水中で揉み洗い、澱粉質などの不純物を完全に流しさる作業(紙だし、さぶりがけ)をするところもあるが、これは紙料の純度をさらに高めて、良紙を作るためである。
叉近年は省力化のため、ミツマタやガンピにはスクリーンと称する除塵機を用いることがある。

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【和紙の出来るまで】其の5

「漂白」
第5回

漂白
白皮を漂白するには天然漂白と薬品漂白の二つの方法がある。
伝統技法では主として天然漂白の晒しであり、河川の浅瀬に石垣で小さな堰を作って塵埃(じんあい)・汚物などの流入を防ぎ、そこで清流に浸す。ここを晒し 場あるいは出場といい、普通は束ねたまま並べるが、奈良県吉野の紙郷で花びらのように開かせている。山間の高地で清流の遠いところでは、畑に浅い池を設 け、竹すだれをしいて小流を導くが、高知県吾川村などでは冬の休耕田を活用している。このようにすると、水中の酸素が日光の紫外線の作用によって生成され る過酸化水素及びオゾンの働きで自然に漂白される。
叉北陸などの降雪地では、晴天の日に雪上に広げ薄く雪をかぶせ、時々ひっくり返しながら放置しておく。雪晒しといい、この方法によるものは光沢が良い。
ともかく天然漂白は繊維の光沢・強靭さを保たせる理想的な方法である。しかし時間がかかるので、いまでは消石灰に塩素ガスを作用させて製造した晒粉(カルキ、次亜塩素酸カルシウム)を用いることが多い。
この薬品漂白は明治末期から始まっており、漂白粉を多く使って時間を長くすれば、純白の紙料を得ることが出来るが、繊維が損傷し、光沢が低下する。強い紙を作るには、やはり天然漂白が優れている。

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【和紙の出来るまで】其の4

「煮熟」
第4回

煮熟(しゃじゅく)
白皮だけにしただけの原料は、純粋なセルソース(繊維素)のほか、ヘミセルロース・リグニン・ペクチン・タンニン・澱粉質・たんぱく質・脂肪・糖類・鉱物質その他の不純物を含んでいる。
そこでアルカリ性の溶液を加えて高温で加熱し、原料の中の不純物を出来るだけ水に溶ける物質に変え、水に流し去って比較的純粋な繊維素だけを抽出するために、煮熟する。
アルカリ性溶液としては古くから草木灰の灰汁が用いられ、「紙漉重宝記」には、そば殻の灰、蝋灰(ろうはい)(木蝋、すなわちハゼの木の灰)のほか石灰を 記している。明治期になってソーダ灰(炭酸ソーダ)や苛性ソーダを用い始めたが、良質の紙つくりには草木灰がよく、奉書紙には蓬のもぐさ灰・桐油(とう ゆ)鬼殻灰・楢(なら)合歓(ねむ)の木の雑木灰・稲わら灰のほか加賀藩の幕末進納用には青ずいき(里芋の茎)を干して焼いた灰を持ちたとされる。
煮熟を終わると釜から取り出し籠に入れて水中に放置するか、清水を満たしたコンクリート製タンクに均等にひろげて浸し、絶えず水を流動させながらアルカリ成分を抜く。
河川の浅瀬で一定の面積を川石で区切り、2昼夜くらい放置するのが本来の方法で、これを川晒しとも言うが、天然の漂白もかねている。

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